トルコ戦士の皆様
2017年4月16日のトルコ国民投票で・・
エルドアンの悲願であった大統領制が実現しました。
今回はなぜにエルドアンが大統領制をなんとしても実現したかったのかを・・
解説したいと思います。
(大王独自の解釈で・・)
2007年4月トルコ大統領選にさかのぼります。
当時は議会が大統領を選出していました。(現在は国民投票ですが)
当時の与党AKPの首相であったエルドアンは・・
与党AKPからアブドラ・ギュル外務大臣を立候補させます。
Abdullah Gul: “ Ez guh nadim wan kesên ku hewil didin min bikşînin navnîqaşan” https://t.co/NoXd9KPoAK— Çınarın Sesi (@CinarinSesi) 2017年5月6日
議会での大統領選のルールですが・・
当選には1回目と2回目の投票で議員定数の3分の2にあたる367票が必要で、3回目は過半数の以上とれば当選ということになっていました。
当時、与党AKPは340議席だったので1回目、2回目では3分の2は取れないので・・
3回目で過半数とって当選させようとしていたのですが・・
イスラム色の強いギュル候補を嫌う野党CHPが・・
せこい戦法を使います。
なんと投票を他の野党を巻き込んでボイコットしました。
これでは当選するために必要な3分の2である367人が、選挙にいないことになります。
そしてこともあろうことか・・
ボイコットした野党がこの選挙は人数が足らないから無効だと裁判所に訴え・・
さらにそれを裁判所が認めるという茶番が起きます。
(もうね裁判所もある意味デタラメなんですね)
当時のニュース
トルコの裁判所、大統領選の第1回投票を無効とする判断 - トルコ
【アンカラ/トルコ 2日 AFP】憲法裁判所は1日、大統領選挙の第1回投票は無効との裁定を下した。
これは誰でも怒りますね。絶対・・
小学生でも、野党や裁判所は
道徳がなっていないと判断できるとおもいます。
当然エルドアンは「ふざんけじゃねー」と激怒します。
野党CHPというのは・・
イスラム教が政治の舞台に出ること反対する党です。
支持基盤は都市部のエリートや軍人でして・・
(ここがポイントです。このCHPを軍が支持しているという・・)
これまでも軍は・・
イスラムの政治勢力が台頭するとクーデターを起こして介入しているわけですね。
そしてこの時もトルコ軍がことをあらたげます。
軍は野党CHPとともにイスラム色の強い与党AKPギュル候補を毛嫌いし・・・
なんとネットのサイトに警告文を掲載します。
「軍は懸念を持って情勢を注視している」と・・
いわゆるクーデターをちらつかせているわけですね。
当時のニュース
軍と与党が対立、国内に緊張走る - トルコ
【アンカラ/トルコ 29日 AFP】イスラム教を主軸とする政府は28日、トルコ軍が国是である世俗主義を擁護すると発表したことを受け同軍と対立、国内は政治的危機に直面している。
トルコ憲法には・・
クーデターを許す条項があるようです(今はどうか不明ですが)
"
当時はトルコ軍が脅しで政治に介入できるという・・
[引用はじめ]
トルコ軍については、ケマル・アタチュルクの権力掌握以来、トルコが宗教国家化したり、不安定化した場合には、クーデターを起こし、世俗体制を守っていいという条項が、憲法のなかに記載されているのだ。
[引用終わり] 引用元 中東TODAY"
[引用終わり] 引用元 中東TODAY"
民主主義から、かけ離れていたわけです。
この警告を受けたエルドアンは・・
議会に軍が介入するのは民主主義の否定だと・・
激怒し即座に議会解散し総選挙に打って出ます。
(大王的にはエルドアンのほうが正しい気がするのですが・・)
この総選挙の結果で、与党は過半数を占めました。
要するに国民から”与党AKPが正しい”と審判を受けたことになり・・
やり直しの大統領選では野党もボイコットせずギュル大統領が誕生しました。
当時のニュース
こういう野党のセコいやり方や軍の介入に業を煮やしたエルドアン大統領は・・トルコ軍幹部、親イスラム系の新大統領誕生に冷淡な反応
【8月30日 AFP】トルコのアブドラ・ギュル(Abdullah Gul)新大統領(56)が29日、本格的に執務を開始した。
議会で大統領を選出するのは埒が明かないということで・・
これからは国民の直接投票で大統領を選出しようと決断し・・
そのための憲法改正を行うため、国民投票を行います。
この大統領国民投票選出制の賛否をとう国民投票の結果ですが・・
70%以上の賛成で可決となりました。
それでエルドアンが次の大統領選に立候補し・・
国民投票で選出された初の大統領になった訳ですね。
とにかくこんな感じで議会が裁判所や軍の介入で・・
スムーズいかない状況でしたのでエルドアンとしては経済を優先したくても、できない状況だったようです。
当時もこの混乱でトルコリラが暴落しているようです。
当時のニュース
とにもかくにも・・政治的混乱への懸念で株価が8%下落 - トルコ
【アンカラ/トルコ 30日 AFP】大統領選挙をめぐり軍と政府の間の緊張が高まるトルコで30日、株価が8%下落、トルコリラも下落した。
こういうのは経済からみると相当マイナスですよね。
戦士の皆様、あくまで大王独自の視点ですので・・
考えや意見の相違は各自で吞み込んでくださいね。
それでは記事が長くなりましたので続きはまた後日書きます・・
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1 件のコメント:
いつも参考にさせて頂いています。今回は何時にも増して素晴らしい内容でした。証券会社の人間でもここまで理解している人は少ないのでは?と思います。無料で読ませて頂くのが申し訳ありませんが、引き続きよろしくお願い致します。
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